VMware Playerの上に立てたESXiの管理IPアドレスは、VMware Playerのネットワークアダプタ1のタイプに基づいて決定される。ネットワークアダプタ1がNATの場合、VMware Playerの仮想DHCPサーバ機能で動的にIPアドレスが払い出される。この記事では仮想DHCPサーバが払い出すIPアドレスを変更する方法について記載する。
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VMware PlayerのNATアダプタの構造
VMware PlayerのNATアダプタ内には仮想ルータ兼DNSサーバと仮想DHCPサーバが存在している。NATアダプタに接続している仮想マシンは仮想DHCPサーバからIPアドレスを割り当てられ、デフォルトゲートウェイ及びDNSサーバが末尾.2の仮想ルータ兼DNSサーバに向けられる。
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仮想DHCPサーバ
仮想DHCPサーバのIPアドレスは.254で固定。変更できないと思われる。以下の設定ファイルを編集することで、DHCPサーバが払い出すIPアドレスは変更できる。
C:\ProgramData\VMware\vmnetdhcp.conf
上記に併せて以下2つのレジストリを修正することで設定が反映される。後者の102a8c0はIPアドレスを逆から16進数表記したもので、192.168.2.1を意味する。
##### DHCPサーバが払い出すIPセグメント #####
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\VMware, Inc.\VMnetLib\VMnetConfig\vmnet8
IPSubnetAddress = 192.168.2.0
##### ホストのVMnet8アダプタのIPアドレス #####
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\VMnetDHCP\Parameters\VirtualEthernetSegments\8
HostIpAddress = 102a8c0
仮想ルータ兼DNSサーバ
仮想ルータ兼DNSサーバのIPアドレスは末尾.2となる。以下の設定ファイルを編集することで変更可能。こちらは編集完了後にレジストリの修正は不要。
C:\ProgramData\VMware\vmnetnat.conf
# NAT gateway address
ip = 192.168.2.2/24
hostMAC = 00:50:56:C0:00:08
設定変更後はホストPCのVMnet8のアダプタのIPアドレスを固定に設定する。DHCPにした場合、以下のようにデフォルトゲートウェイのIPアドレスも配布されてしまう。
イーサネット アダプター VMware Network Adapter VMnet8:
接続固有の DNS サフィックス . . . . .: localdomain
リンクローカル IPv6 アドレス. . . . .: fe80::4f46:dbb1:ff52:d74a%17
IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 192.168.2.1
サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0
デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: 192.168.2.2 ←悪い例
PC・サーバに設定できるデフォルトゲートウェイの数はNICの数に関係なく1個のみである。通常はホストPCのメインNIC(インターネットに接続できるNIC)にデフォルトゲートウェイを持たせる。
メインNICに加えてVMnet8もデフォルトゲートウェイを持つようになった場合、PCがデフォルトルートに合致するパケットを生成する際、メインNICとVMnet8のどちらからパケットを出してよいかわからなくなるため、レスポンスが非常に悪化する。そのため、PCのVMnet8は固定IPアドレスを設定し、デフォルトゲートウェイは空白に設定する。
以上
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